
先週末の研究会では、新触媒がなくなってしまったのでこの際だからと工場にあったかなり古い苛性ソーダを使い、それに残っていた新触媒を混ぜての実験を行った。
まず苛性ソーダは空気とすぐに結合してしまうので、できるだけ新しいもの、混ぜるときも空気に触れないように注意することがレシピでの常識になっているのだが、あえて固まってしまってもう苛性ソーダとは呼べないものかも知れない。苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は空気中の酸素と結合して炭酸化されて、本来は透明なものが濃い白色の炭酸ナトリウムになっていると考えられる。そこで量は全く足りないがBioMAXを混ぜて、量を多めにメタノールも少し多めに入れての実験となった。通常の苛性ソーダでのアルカリ触媒方でのやり方ではなく、こちら独自の方法ではあるが、また温度も通常ではできないメタノールの沸点を超えた、どちらかというと亜臨界に近い高温(当然圧力も高いはず)での攪拌で実験を行った。この常識的でないやり方がどんな結果を生むか興味が高まった。
結果的には反応時間もよく、グリセリンとの分離も早く行なえ、前回より色といいいい出来栄えだった。前回の失敗もあり水洗いでなく濾過器、フィルターでの循環しての薬剤洗浄後が、写真の左でほぼ完成ではないかと喜んだ。午後2時から始まって夕方になってしまって温度がなかなか下がらないので(これが時間的にはこれからのシーズンはきつくなるか)そのまま放置して解散。翌日に持ち越すことになった。
翌日、上澄みはきれいなもので、今までで一番きれいではないかと参加者は感激したのだが、装置内の底にはゲル状のクラゲのような物質が浮遊している。手で捕まえられる位の硬さで、この段階で網ででもすくい上げてしまえばよかったのだが、再度、温めて攪拌すると溶けるのかとトライしたのが失敗だった。せっかくの完成品が濁ってしまってそれを洗浄するのにフィルターを何枚も犠牲にせざるを得なかった。台所用や工場の網でもすくったがすぐに目詰まりする油幕を全部浄化するのに大いに手間取ってしまったが、何とか全部取りきると、写真の右のように澄んだきれいなBDFが完成した。しかし、量はおよそ半分になってしまった。完成品はPHも薬剤なしで中性で、結果的にはよく出来ている。途中では、これはBDFでなくガソリンに近くないかと笑い話風に遊んでいたが、ともかくなんとか出来上がり、ゲル状のものもよく燃えるので固めるとロウソクのようなものになるのかも知れなかった。
実験的には不確定要素が多過ぎて原因を特定できないから、今回は遊び心での挑戦だったが、次回からは新品の苛性ソーダで、空気に触れないものを使い、混ぜる量を小刻みに変化させて、尚且つ、いくつかのパターンを準備してきちんと実験しレポートしたいと思う。アルカリ触媒でもこの装置のよさ、やり方のよさなのか、混合したBioMAXのよさなのか、ともかく今度時間を作って実験して確認したい。ナトリウムメトキサイドを作らないで出来るとしたら、ひょっとしたらかなり面白い製法といえるのだろうか?

近くの薬屋で購入した苛性ソーダは(工業用でないから割高かも知れないが、写真左)450gで367円だった。BioMAXが20Kg1万円でも、計算すると1g0.5円だから450gで225円と決して高くないのかも知れない。コストをよく聞かれるが調達方法うやロットでも違ってくるので何とも言えないのが実感だ。プロトタイプの15リットル用が手元に帰ってきたので、今度はコマめに実験してみようと思う。テーブル・テストでもなく、大掛かりなプラントでもないところでは丁度いい大きさだと思える。プロトタイプが2台も自宅に着たので、1台をメトキサイド製造用、あるいは洗浄用にとか2バッチシステムでのやり方も実験できそうだ。また、近くのリサイクルショップでミネラルウォーターのボトルサーバ用の入れ物を買ってきての静置用タンクも準備してみようかと考えている。これらの成果はまたの機会に。
そう言っているうちにBioMAXが届いたので、夜は家でプロトタイプ1号で廃油10リットルでの実験を行った。写真の右がそれだ。7時過ぎに始めて9時前に終了。このまま明日まで静置してグリセリンを抜こうと思う。レシピは詳しく言えないが、工場のKさんの技術力か、これで十分だった。完成するとすればこんな簡単なことはない。やっぱりこの触媒は簡単でいい。結果が問題ではある。乞うご期待。